アパート経営は軌道に乗れば、安定的にまとまった収入を得られるとても魅力的な手段です。
「経営」という名前がついているように、投資というよりはもはや事業に近い側面があります。
アパートの管理や確定申告などプロに任せることもできますが、自分でできれば支出を抑え利益率を上げることができるでしょう。
その場合、普段からアパート経営に必要な知識をしっかり勉強しておく必要があります。
今回はアパート経営には避けられない修繕積立金についてです。
このお金は経費にすることができるのか?
管理費との違いについて情報をまとめました。
修繕積立金ってどんなお金?賃貸では誰が払う?
修繕積立金とは、建物に適切なメンテナンスをして経年劣化による不具合を修繕するための費用です。
例えば外壁の塗装、手すりなどの整備、屋根の防水や排水管の入替えなど様々な修繕工事の費用として使われるものです。
マンションなどを購入した時に修繕積立金を払うのは入居者ですが、賃貸となると部屋の大家が負担することになります。
建物や設備は時が経つにつれて必ず劣化するので、計画的にこのお金を貯めておかなければなりません。
また経年劣化だけではなく、思いもかけない突然の災害や不慮の出来事でまとまったお金が必要になることがあります。
そこで多くの大家は得られた家賃収入から数パーセントのお金を修繕積立金として積み立て貯金しています。
これは不動産投資に限らず、持ち家を持っている人ならほとんどの人が経験あることでしょう。
特にアパート経営の場合は、汚くなったり劣化したりして損傷した箇所をそのままにしていると空室率がぐんと跳ね上がります。
そうすると益々収益が下がり修繕が難しくなるという悪循環に陥る可能性がありますので、最初から事業計画として頭に入れておきましょう。
修繕積立金と管理費との違いは何?経費に計上できるの?
修繕積立金は日々の収入から差し引いて貯金しておく必要があることが分かりました。
この積立金、結局自由に使えるお金ではないことになりますが経費として計上はできるのでしょうか?
残念ながら答えはNOです。
実際に修繕工事に使用したわけではないので経費計上できないのです。
しかし、保険として積み立てると経費に計上できる可能性があります。
例えば修繕積立金向けの保険や、オーナー向けの生命保険があります。
生命保険で積み立てるプランの場合には、オーナーに万が一のことがあった時に保険金として受け取り修繕費用として活用することができます。
解約返戻金も修繕費用に当てることができます。
しかし、一般的には解約返戻率が高いタイプの保険だと経費として認められない場合もあるので、保険加入時にはしっかり確認しましょう。
また、修繕積立金と似たお金として管理費があります。
管理費とは、快適な暮らしや資産価値維持のためにかかる日々の管理・維持費用のことです。
具体的には管理員の人件費、共用スペースの清掃費や電気代などがそれにあたります。
管理費は修繕積立費と混同されがちですが、呼び方や名義が違うだけではなく使途が異なる全くの別物です。
経理計上でも分類が異なりますのでしっかり分けて考えるようにしましょう。
まとめ
出費を経費に計上すると納税額は減ります。
そのため、もし経費とならないものを間違って計上した場合、意図しなくても脱税したことになってしまうのです。
その場合は税務署から指摘が入るでしょう。
悪意がなかったとはいえ法律違反になってしまいますので、経費にできるもの・できないものはしっかり調べてから確定申告をしましょう。
不安がある時は税理士など専門家に依頼すると安心です。
少々のコンサル費用をケチらずクリーンな経営が出来るよう努めましょう。